せらみゅ〜舞台占有時間の研究

このコーナーでは、せらみゅ〜各タイトルを、出演者がどれだけ、どのタイミングで舞台上にいたかを中心に分析し、本当の主役が誰かを見つけます。(一部嘘)

なお、時間は30秒単位で適当に丸めてあり、厳密なものではありません。また、舞台上にはいるのだけど、完全に暗転状態の場合いないものとして扱っております。

斜線部分は、変身した状態です。
●1999春公演 「かぐや島伝説」

 最初に取り上げるのは、作品としての完成度の評価がきわめて高いこの作品です。

 ・原史奈主演 2nd Stageの顕著な印象として、「セーラー戦士でいる時間が短い」というのがぼくにはあるのですが、本当のところはどうでしょうか?
1幕
1幕、2幕とも開幕最初にガーンとかましてくれるのは、[プ]ダーク・プラズマン(鹿志村篤臣)さまとその一味。かぐや島が非常に締まった印象を与えることに寄与する部分はきわめて大きいと言えましょう。

全編を通して、舞台上にピンで立つのは、
ダーク・プラズマン、[ル]レア・ルビー(山本かな子先生)、[M]ルーフ・メロウ(小野妃香里選手)の3人のみです。とくに最初のソロをとるレア・ルビーは本作前半をリードする重要な存在です。

「かぐや島」が一部で「わかりにくい」と言われたのは、1st Stageまでは敵がはっきりしていたのが、敵(のようなもの)が2グループあるという三極構造が持ち込まれたことにあるのでしょう。ただし、それは舞台の構成という意味では非常に大きな幅を作り、各局面が交互に現れ、客をなかなか飽きさせません。

ですが、「かぐや島」1幕の一番すごいところは、約60分の間で、セーラー戦士が戦闘服で登場しているのが、船の上で襲われて変身する1幕中盤のヤマ場における、約3分(ムーンにいたってはわずかに約2分)しかないということです。
ただし、30分経過までに1回変身してみせるというあたりは、おこさまサービスという点でギリギリのタイミングかと思いますし、この作品のよく計算されたところのように感じます。

41分から48分頃までの「[月]
うさぎ(原史奈ちゃん)、[タ]まもちゃん(天野浩成くん)」のみってのは、シリーズ屈指の美男美女コンビだっただけに、かなりいい雰囲気だったと思いますが、冒険だった気もしますね。見た2回、ビデオ、全部ハモり損なってます。(^^;

で、こうやってみると[ち]
ちびうさ(郡司あやのちゃん)の出てる時間、結構長いのですが、ぼくが実見した回は、彼女休んでたんですよね。それでとくに違和感なかったってのはいったい……

1幕ラストのコン=[土]
ほたる(三田真央ちゃん)のソロからプラズマンの重厚なソロ+驚愕というクライマックスは、3rd Stageのふ抜けた1幕クライマックスと違って、実によい引きでしたねぇ。
2幕
2幕前半は、構成的には1幕を踏襲する形で推移しますが、プラズマンさまのソロはいいですね。1幕ラストの重厚さに切なさが加わって、あっという間に休憩後のざわついた雰囲気が締まります。この、1幕ラスト〜2幕アタマをプラズマンにするというのは、この脚本のきわめてすぐれたところと言えましょう。

12分頃から、1幕にはいなかった
ちびうさを軸に、「おかあさん」をテーマにしたおこさまチーム時間になります。

1幕に比べて2幕がややタルいのはせらみゅ〜の通弊なのですが、「かぐや島」におけるその原因は、クライマックス20分出ずっぱりの戦士ちゃんたちのせいなのでしょうか?
それともこの12分くらいからの[猫]子猫+ちびうさ+
[キ]キング+ルーフ・メロウの15分に及ぶ舞台が妙に寂しい感じのする時間帯のせいでしょうか?

ルーフ・メロウの恋に揺れるソロは聞き所のひとつなんですが、ビデオで観るとちょっと弱い感じ。ナマだとあんなに力があるのに、これは前から不思議なところです。

せらみゅ〜というと、舞台上にやたらと人がいるという印象がありますが、実は舞台上に全出演者が勢揃いというタイミングは存在しないというのは驚きです。暗転部を含めると、27分頃からの15分間はかなりぎゅうぎゅうで、36分頃にはほぼ全員が舞台上にいるのですが、このときでもなんとまもちゃんいないため、全員集合にはなっていません。まもちゃん影の薄さはホンモノです

エターナルムーンへの変身のため、ムーンちゃんがいなくなる間、入れ替わりにタキさまが出ているというのは、なかなかほほえましいですが、原史奈ちゃんはもっとかっこよく消えたほうがいいと思うぞ。再登場のシーンはせらみゅ〜で一番かっこよいから許すけど(笑)、お着替え時間って、だいたい3分くらいなのがよくわかりますね(笑)

今気が付いたけど、台詞のない完全なダンサー役の人って「かぐや島」にはいないんですねぇぇ!!

●1998夏公演 「新・伝説光臨」

第2回は、第1回とは逆に、まったくダメダメなことに定評のある、もっともイタい公演「新・伝説光臨」を取り上げてみましょう。

わざわざ分析しなくてもダメなことは分かり切っていて、そのダメな原因もほとんどがそのキャストにあることも自明のことのようにも思われますが、構成としてはどうだったのでしょうか。

ちびうさと、ギャラクシア軍団セーラー戦士のボーダー表示は、本来の役ではなく、ピエロでの出演です。
1幕
開幕は、[N]レムレスの踊り(この公演の特徴として、とにかくダンサーが多いということも言っておいたほうがよいかも知れません)から、[び]ちびちび(足助美岐子ちゃん)と[タ]タキ(榎本雄太)、によるダブルムーンライトロマンス。どうでもいいけど、榎本君、歌ダメダメです(^^;。3分頃、[月]うさぎ(原史奈ちゃん)、キング(望月祐多先生)とのデュオになると、とたんに雰囲気がぐんと上がります。
導入部は、「SuperS」の踏襲で、決して悪くありません。

しかし、しかぁし。
さあ、驚きました(笑)。
なんと言っても特筆すべきは、60分を超えるこの第1幕で、
内部セーラー戦士の変身はありません。

いっぽう、外部セーラー戦士[天]ウラヌス(高木ナオ)[海]
ネプチューン(島田沙羅)[冥]プルート(神谷ゆき)が変身して最初に現れるのは、ようやく40分過ぎ。50分頃には[土]サターン(三瓶あさみ)も現れますが、こりゃいくらなんでも引っ張りすぎというものではないでしょうか。

さらにさらに、[月]セーラームーンが、スーパーセーラームーンとして現れるのは、なんとクライマックス間際の56分頃。30分のアニメのAパートで変身しないというのは、なくはないよううな気がしますが、2時間を超えるミュージカルで、前半終了寸前まで変身しないというのは、いくらなんでもちっちゃなおともだちがかわいそうだと思います。

そもそも1幕で、内部ちゃんたちは、約20分くらいしか舞台上にいません。そのぶん、アマゾントリオ([虎][鷹][魚])の出番が異常に分厚くなっています。(これは、後日SuperS公演と比較してみたいと思います)

「かぐや島」では、2幕で10分以上セーラー戦士たちが舞台上にいないタイミングがありましたが、本来1幕の最初のヤマを持ってこないといけない30分頃にずっぽりセーラー戦士が舞台にいないというのはいかがなものか……。

1幕ラストで、「トリプル夢」を持ってきて盛り上げにかかりますが(いや、曲がいいのでそりなりに盛り上がるのですが)、アマゾントリオや[B]
ベリル(仁科有理さま)の懸命のいい演技も、相手(正義チーム)がスカスカで空回りしてしまったあげくなので、無理矢理感がつきまとう1幕なのであります。

でも、原史奈ちゃん、よくがんばってますね。
2幕
2幕冒頭は、定番とも言える悪役組でスタート。

2幕5分すぎの内部戦士の揃いは、例のクイズです(苦笑)。これもいかがなものかというしょうもないところですねぇ。わたしゃ劇場で見て途方にくれましたですよ。

2幕18分過ぎ、ようやく内部戦士が変身して現れますが、敵に洗脳された姿で、決め台詞も決めポーズも無しに現れるため、カタルシスっちゅーもんがありません。

2幕のもっとも恐ろしいところは、30分から54分まで、内部の戦士ちゃんたち(おまけにウラネプも)が舞台のどこにもいないということです。2nd Stage以降は、基本的に内部は4人で1ユニット的な扱いであることが多いように思われますが、この公演においては、原史奈と愉快な仲間たちというか、白雪姫と7人のこびとというか、原史奈とそれ以外というのがきわだったものであったという印象があります。次の公演で総替えと言ってよいくらい、この公演の戦士ちゃんたちがすっかりいなくなってしまったのは、キャスト変遷史ページに書いたとおりなんですが、スタッフ側が切ったのか、本人たちが嫌になってやめたのかわからなくなるくらいあまりと言えばあまりな扱いです。(いや、ほんとにイタい人が何人もいたんで、切ったことを非難するつもりはこれっぽっちもありません
でも、[金]ビーナス(小谷美裕)と[火]マーズ(坂井ひろみ)は、もっちょっと見てみたかった気もする

ご覧になればわかるとおり、原史奈ちゃんとアマゾントリオがほぼ出ずっぱりに出ていますが、これもバランスの悪さを感じさせるところです。基本的に原史奈というのは、見ていて美しい人だし主役なので、この出ずっぱりに文句は無いのですが、異常に負担が大きかったのが如実に現れております。同じくアマゾントリオをフィーチャーしたSuperS公演とますます比べてみたくなってきました。

あと特筆事項としては、[ち]
ちびうさ(郡司あやの)は2幕後半にはいません。かなり出番薄いです。これはちびちびとかぶっちゃうから仕方ない面もあるんですが、そもそもSuperSと永遠伝説をむりやり足して3で割ったような脚本にムリがあったと言うしかないのかも知れません。

ダンサーとピエロの出入りはちょっと怪しいかもしれませんが、その点はご容赦ください。
このページは、適宜情報の追加が行われます最終更新2001/7/21

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